1 はじめに
消費者庁は、2024年6月4日、「海外の通報者保護制度及び実態に係る調査業務最終報告書」 [1](以下「本報告書」という。)を公表した。本報告書は、アメリカ、イギリス、フランスおよびEU加盟国における通報者保護制度および実態に関する調査(以下「本調査」という。)の結果を報告するものである。
また、消費者庁は2024年6月7日、公益通報者保護制度検討会(以下「本検討会」という。)(第2回)を開催した。本検討会は、近年の公益通報者保護制度をめぐる国内外の環境の変化や改正後の公益通報者保護法の施行状況を踏まえた課題の検討を目的として発足され、検討が進められているものであり、主要先進国の公益通報者保護制度の内容は、その検討に資するものと考えられる。
グローバルに展開する日本企業における公益通報者保護制度の運用においても、その実効性向上のためには、諸外国における公益通報者保護制度の理解は必須であり、以下では、本報告書における本調査のポイントを概説する。
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