広東省深セン市にある深セン国際仲裁院がこのほど「中国(深セン)知的財産権仲裁センター業務報告」を公表した。この報告によると、2024年12月31日までに同仲裁センターが取り扱った知的財産権関連の案件数は1088件、総争議金額は24億元を超える。うち、954件の案件が解決済みで、終結率は87.7%に達している。
深セン仲裁センターは、知的財産権争議の解決において、より柔軟な仲裁を実現するため、200社以上のハイテク企業と「知的財産権争議解決信用承諾書」を締結した。また、「スマート仲裁システム」の活用や手続きの最適化を通じて、案件の平均処理期間を123日に短縮し、最短で55日間での解決も可能とした。さらに、深セン市の各区政府と連携して仲裁費用の支援政策を打ち出し、市場主体に対し便利で的確な仲裁サービスを提供している。
今年3月から施行された「深セン国際仲裁院特許争議仲裁手続指針」にも注目が集まっている。この指針では、新たに標準必要特許(SEP)ライセンス紛争などの類型を追加し、裁判前会議(弁論準備手続き)や証拠調査命令制度の活用、「専門家証人+技術検証」という二重証拠調査システムの構築、仲裁における仮処分制度の創設、さらには仲裁廷による特許有効性の審査を許可するなど、複数の革新的な取り組みが盛り込まれている。
深センは中国のイノベーション拠点として知財保護の重要性が高まっており、同センターの取り組みは迅速な紛争解決に向けた新たなモデルケースとして注目されている。
出所:中国保護知識産権網
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