「CRS(共通報告基準)」と呼ばれるものが今、金融業界や国際的な業務に携わる人の間で話題となってい る。このCRSとは一体何で、何故注目を集めているのだろうか? 我々にどのようなインパクトを与え、又我 々はどう心構えをしたらよいだろうか?

CRSとは、OECD(経済協力開発機構)及びG20サミットのサブグループであるGFT(透明性に関するグロ ーバル・フォーラム)により意見が出され、OECDにより制定された基準であり、税務目的のための各国間 の情報交換を目的としている。

CRSは参加国家間の情報の交換により脱税を防ぐことを目的としており、主眼点はシンプルだが実に効果的 である。要は情報を共有し、その情報にアクセスできる集団を拡大してゆく、ということである。

CRSはこの枠組みに参加している各国内の金融機関に、外国国籍である個人或いは企業により直接・間接に 保有されている金融口座を報告するよう義務付けている。従って口座保有者はID及び残高を含めた口座情報 等膨大な量の情報を提供しなくてはならない。手短に言うと、CRSの導入がこれまで銀行業務における守秘 義務や各種財団を通して守られてきた情報を明るみに出すこととなる、ということである。

透明性の要請とコンプライアンスの必要性は、将来のあらゆる金融活動にとって規範となることだろう。 OECDによる別の発案であるBEPS(税源浸食と利益移転)対策は、複数国家に跨って企業が活動をしてい る場合において、可能な限り各国からの課税が平等になることを狙った取組みである。

BEPSは課税ルールの国家間の相違や不整合を利用して、徴税額が低い或いは無い国へ資金を移動する税回 避戦略(脱税ではなく合法に、或いは節税戦略)を謂う。この対策を100以上の国・国家が協力し、取組み を実行しようとしている。CRSとBEPSの取り組みにより、事業や個人による国境を越えた各種活動が根本 的に変わろうとしている。

このような差し迫った変革は、我々にどんな影響を与えるだろうか?

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