ジョーンズ・デイ・アラート:米国労働省、公正労働基準法におけるホワイトカラーエグゼンプションの適用を受けるための最低賃金額を100%引き上げる

2016年5月18日、米国労働省は、公正労働基準法(Fair Labor Standards Act)に基づき役員、管理職及び専門職労働者に対して適用されるホワイトカラーエグゼンプション(White Collar Overtime Exemptions)について改訂した最新の規則(以下「本規則」といいます。)を公表しました。2016年12月1日より施行される本規則は、ホワイトカラーエグゼンプションの適用を受けるための最低賃金額を2倍以上(年間23,600ドルから47,476ドル)に引き上げています。その結果、使用者は、現在ホワイトカラーエグゼンプションの適用対象となっている全労働者について直ちに引き上げられた最低賃金額を満たすか否かの検討を始めるとともに、潜在的なビジネスへの影響も考慮しながら、引き上げられた最低賃金額を下回ることになる労働者の取扱いを注意深く決めなければなりません。例えば、使用者は、最低賃金額を満たすために賃金を引き上げるのか、あるいは、ホワイトカラーエグゼンプションの適用対象から除外するのか、について検討しなければなりません。もし適用対象からの除外を選択するのであれば、使用者は、残業代の支払いを回避するために労働時間を減少させるのか、労働時間を他の労働者との間で再分配するのか、適用対象から除外された労働者の労働時間をどのように管理するのか、といった多くのことについても決定する必要があります。

本規則のもう一つの重要な特徴として、3年ごとに最低賃金額が自動的に引き上げられるという点が挙げられます。これは、公正労働基準法施行以来78年の歴史で初めてのことです。

本件は米国でホワイトカラーエグゼンプションを導入している多くの日本企業にとって重要な情報と考えられますので、ここに紹介する次第です。

詳細は、" DOL Mandates 100% Increase in Minimum Salary to Satisfy Fair Labor Standards Act White Collar Overtime Exemptions" (オリジナル(英語)版)をご参照ください。

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